踏切不作動で車と電車が衝突してしまったら

 先日東海道線の安城駅付近で電車と車が衝突したそうで5、6時間以上東海道線大府駅などから上下線で運転を見合わせていました。同じ頃に名鉄でも人身事故があったため、東岡崎駅からタクシーに乗ったことがあります。

 では、もし自分の乗っている車が、踏切不作動で電車と衝突してしまったらどうすれば良いのでしょうか。

 まず確認して置きたいのは、踏切においては横断・通過の際に車両側に一時停止と安全確認の義務が課されているという点です。この点からより危険予測に対する責任が車両側に大きいと考えられるので、踏切における事故については基本的に車両側の過失割合が非常に大きくなります。遮断機や警報機の無い踏切で安全確認を明らかに怠った故の衝突事故や、遮断機が下りている状態で強行突破を図って衝突事故に至ったケースでは、車両側の10:0の過失が基本となります。

 但し踏切不作動が起きた場合、若干事情が異なる可能性があります。遮断機が下りずに警報音のみといったケースではまだしも、故障で警報音だけが長時間鳴り続いているといったケースにおいては入念な安全確認の元に車両の横断を行う事が仕方無いと考えられる場合もあり、過失割合として9:1が適用される場合があります。踏切の装置管理において鉄道事業者側の瑕疵が証明出来るようなケースでは、もう少し車両側の過失割合が小さくなる事も考えられます。

 また遮断機・警報音・閃光灯の何れも不作動といった場合、車両の運転手は遮断機が動作する状況に無いものと判断すると考えられます。こうした状況での衝突事故については、車両側が一時停止や安全確認をきっちり行っていた事を証明した上で、5:5の過失割合が適用された判例があります。

 とは言え踏切は故障した場合、それでも動作するケースにおいては遮断機を下りたままとする事で車両の通行を防止し、事業者による復旧を待つという機能が備わっています。この状態であれば例え故障であっても車両の通過は強行突破に該当するので、衝突事故となれば車両側の10:0の過失割合となるそうです。